不幸にも癌になった場合、がん保険は例外を除き、すべての癌を保障の対象としています。しかし、いくら金銭的な保障があるからといえども命の保障まではありません。もし不幸にも癌になった、それも治療が困難な癌だった場合、ターミナルケアというものを考えねばなりません。ターミナルケア=終末医療とは現代の医療では治癒の見込めない「終末期」にある癌や難病などの患者を対象に、全人的な観点から痛みの緩和などを中心に行われるケアのことです。具体的には痛みをはじめとする諸症状のコントロール、患者及び家族の精神的苦痛の軽減のための援助や支援、患者と家族を囲む社会経済的問題解決、孤独や死別にともなう人間存在の根幹となる精神的=スピリチュアルな問題解決のための援助などがあげられます。こころの時代と言われるようになり徐々に広まりつつあるターミナルケアですが、ヨーロッパと日本では少し事情が異なります。例えばイギリスのターミナルケアはあくまで在宅中心です。ホスピス病棟は全英に200ほどあるといわれていますが、自宅で家族や専門スタッフに見守られながら最期を迎える人が圧倒的に多いのです。これに比べ日本では病院でのケアがほとんどです。しかし「住み慣れた我が家で最期を迎えたい、最後の時を家族といっしょに過ごしたい」と考える方は少なくありません。ライフデザイン研究所の「終末期医療に関する意識調査」(2001年11月実施、対象は40?60代男女990人)によれば、「最期を自宅で過ごしたい」と答えた人は78.9%。8割近くを占める結果となっています。「自宅で過ごしたいが、不可能だと思う」と回答した人は全体の55.1%。とくに女性層では6割近くに昇りました。理由としては「家族に迷惑や手間をかけるから」が84.6%と圧倒的です。現在の治療技術や医療法的にいえば、在宅ターミナルケアは不可能ではありません。平成4年の法改正をきっかけに、あらゆる在宅診療が認められています。現在では病院医療のほとんどの技術を、在宅でも行うことが可能です。訪問看護や訪問診療を行う機関も増えつつあります。情報の不足やサポート体制さえ整えば、将来「自宅で最後の時を迎えるのが当然」となってくることでしょう。
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