がん保険や癌の治療を考える際、どうしても気になるのが癌治療後の予後、癌の再発・転移でしょう。癌の転移を抑えるためにはウロキナーゼやマトリックスメタロプロテイナーゼという物質を抑える事がキーになります。しかし動物実験ではうまくいくのですが、ヒトの癌の場合、ウロキナーゼやマトリックスメタロプロテイナーゼなど一つの作用点のみを抑制したとしても、長期にわたって癌の転移を抑制し続けることは困難なのです。しかし、最近の分子生物学や遺伝子学の発展によって、転移しやすい癌細胞とそうでない癌細胞とを区別できるようになりつつあります。癌細胞が浸潤、転移するためには内因性・外因性に影響を及ぼしている各種成長因子が必要です。これらの因子が癌細胞に作用すると癌細胞は細胞内にシグナルを伝達し、浸潤・転移を活発に行うようになります。例えば、怪我をした時の組織修復メカニズム、細胞が移動したり増殖したりするのです。しかし、怪我の場合、傷が治れば細胞の移動や増殖は終了しますが、癌細胞の場合、宿主が死を迎えるまで転移し続けるのです。これらのシグナルを完全に止めることができれば、おそらく癌細胞の転移も一時的には抑制できるかもしれません。しかし、ある一部の成長因子など、非常に限られたシグナル伝達に関連する部位を阻害する薬剤を開発したとしても、長時間、この薬剤に暴露されていると、癌細胞が遺伝子を自ら変異させ、これらの薬剤に耐性を作る可能性があります。あるいは、この経路を使わない別の経路でが癌を転移させるかもしれません。将来、さらにその経路を阻止する薬剤の開発を人類は考案することになるでしょうが、これは永遠に続く癌との「いたちごっこ」になりかねません。しかも、不幸な事にこれらの物質には毒性があるのです。以上、なかなか一筋縄ではいかない癌の転移抑制ですが、かつては不可能だと思われた夢物語の様な科学技術が現在私たちの身の回りには溢れています。希望を忘れず、期待し続けたいものです。
がん保険プログラム
がん転移のメカニズム?その3
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